ひらがなはすらすら読めるのに、カタカナになると急に手が止まる。宿題のプリントを出すと「やだ」と言う。1年生の家庭では、よくある悩みです。
カタカナに時間がかかる理由を知っておくと、大人の気持ちにも少し余裕が生まれます。そのうえで、家でかけられる言葉を場面ごとに考えてみます。
時間がかかるのは、ふつうのこと
カタカナは、ひらがなを覚えた直後に、同じ音をもう一度別の形で覚え直す字です。しかも、ひらがなに比べて線が少なく、シとツ、ソとンのように形のよく似た字が多いので、見分けるだけでも手間がかかります。
ふだんの生活で目にする量も、ひらがなほど多くはありません。絵本の文はほとんどがひらがなで、カタカナは名前や音のことばに少し出てくる程度です。目にふれる回数が少なければ、覚えるのに時間がかかるのは自然なことです。
学習指導要領でも、ひらがなとカタカナの読み書きは1年生と2年生の2年間をかけて学ぶ内容になっています。1年生のうちにあやしい字が残っていても、それだけで心配しすぎる必要はありません。
嫌がる理由を見てみる
「カタカナが嫌い」と言っていても、よく見ると嫌がっている中身はさまざまです。
書くのが疲れる、という子がいます。カタカナの練習は書く量が多くなりがちで、鉛筆を長く持つのがまだつらい年齢です。この場合は、読む練習に切り替えたり、書く量をへらしたりするだけで、ずいぶん楽になります。
まちがえるのが嫌、という子もいます。ひらがなでは「できる子」だったのに、カタカナではまちがいが続き、自信をなくしているのかもしれません。
単純に、ほかにやりたいことがある、という場合もあります。時間帯を変える、遊びの前に5分だけと区切るなど、やり方を変えると落ち着くことがあります。
どれにあたるかは、子どもに直接聞くより、練習中の様子を見ているほうが分かることが多いものです。
できた字を数える
覚えていない字に目を向けると、大人も子どももつらくなります。反対に、読める字を数えてみると、思っていたより多いことに気づくはずです。
カタカナ表を用意して、読めた字に印をつけていく方法があります。「きのうは20こだったのが、きょうは23こになったね」と、ふえた数を一緒に確かめるだけで、子どもには前に進んでいる実感が残ります。印刷できる表は「印刷できるカタカナ表」に用意しています。
ほめるときは、「えらいね」より、何ができたかを具体的に言うほうが伝わります。「ソとン、ちゃんと書き分けられたね」「パンもバスも自分で読めたね」のように、できたことをそのまま言葉にしてみてください。
まちがえたときの言い方
まちがいを指摘するとき、「ちがう」「また?」という言葉は、言うつもりがなくても口から出やすいものです。代わりに使いやすい言い方をいくつか挙げます。
- 「おしい! どっちだったかな、もう一回見てみよう」
- 「シとツ、大人でもまちがえるんだよ」
- 「ここまで合ってるね。最後の線だけ、向きを確かめようか」
正しい字を教えるときは、まちがえた字を消してから書き直させるより、となりに正しい字を書いて見比べるほうが、ちがいに気づきやすくなります。直すのは1回に1か所までにしておくと、子どもも受け止めやすくなります。
その日のうちに全部直そうとしなくて大丈夫です。似ている字は、行ったり来たりしながら少しずつ身についていくものです。
練習の量と時間を見直す
嫌がるときは、練習の量が子どもにとって多すぎるのかもしれません。1回の練習を5分ほどにして、毎日続けるほうが、週末にまとめて長くやるより負担が軽くなります。
宿題がある日は宿題だけで十分です。家での練習は、宿題のない日にほんの少し足すくらいの気持ちで取り組むと、親子どちらも続けやすくなります。
ゲームを使うときの約束
紙での練習を嫌がる子には、ゲームが入口になることがあります。ただ、ゲームは楽しいぶん、やめどきが難しくなりがちです。使う前に、次のようなことを家庭で決めておくと安心です。
- 時間:1日に何回、または何分まで遊ぶか
- 場所:リビングなど、大人の目が届く所で遊ぶ
- 広告:広告が出たときにどうするか(押さずに大人を呼ぶ、など)
「カタカナの ほしあつめ」は1回が1〜2分で終わり、続けて20分遊ぶと休むように声をかける画面が出ます。広告を見なくても全部の遊びができるので、広告のボタンは押さない、という約束にしても困ることはありません。読む練習用のゲームなので、書く練習は紙で、と分けて使ってください。まずはアイウエオのステージから遊べます。
出典
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」第2章 第1節 国語〔第1学年及び第2学年〕〔知識及び技能〕(1)ウ
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1384661.htm
(文:こたえや編集部)
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