「シャツ」が「シヤツ」に、「ロケット」が「ロケツト」になる。1年生のカタカナのノートでは、小さく書くはずの字が大きくなっているのをよく見かけます。字そのものは合っているので、子どもは何がちがうのか分からないことも多いようです。
小さく書く字のきまりは、じつはひらがなでもカタカナでも同じです。ひらがなの「しゃ」「きって」が書けている子なら、カタカナでも同じ考え方で書けるようになります。
小さく書く字は、大きく分けて2種類
学習指導要領では、1・2年生で「長音,拗音,促音,撥音などの表記」を理解して使うことになっています。このうち小さく書く字にかかわるのが、拗音と促音です。
拗音(ようおん)は「キャ」「シュ」「チョ」のように、2つの字で1つの音を表すものです。2つ目の「ャ・ュ・ョ」を小さく書きます。シャツ、ジュース、ショベルカーなどがこれにあたります。
促音(そくおん)は、「ロケット」の「ッ」のように、つまる音です。声に出すと一瞬息が止まる所に、小さい「ッ」を書きます。ロボット、クッキー、ベッドなどがこの仲間です。
外来語をカタカナで書くときのよりどころである「外来語の表記」(平成3年内閣告示)にも、「促音は,小書きの「ッ」を用いて書く。」「拗音に用いる「ヤ」「ユ」「ヨ」は小書きにする。」と書かれています。
マスの中で書く位置
小さい字は、大きさだけでなく書く場所も決まっています。
- 縦書き(国語のノートや教科書):マスの右上に寄せて書く
- 横書き:マスの左下に寄せて書く
縦書きと横書きで位置が変わるのは、どちらも「前の字にくっつける」と考えると説明がつきます。縦書きでは前の字が上にあるので上寄りに、横書きでは前の字が左にあるので左寄りになります。子どもには「小さい字は、前の字のほうに寄りそう」と伝えると、どちらの向きでも迷いにくくなります。
どのくらい小さく書くかは、教科書やノートの手本に合わせてください。
手をたたいて音を数える
小さい字がうまく書けない原因の一つは、ことばの中にいくつ音があるかがはっきりしないことです。そこで役に立つのが、ことばを言いながら手をたたく練習です。
「ロ・ケ・ッ・ト」は4回たたきます。つまる「ッ」のところは、声は出ませんが手は1回たたきます。ここで「音はないけど1つ分ある」ことに気づくと、小さいッを書き落とすまちがいが減ります。
反対に「シャ・ツ」は2回です。「シ」と「ャ」で2回たたいてしまう子には、「しゃ、で1回だよ」と言って一緒にたたいてみてください。2つの字で1つの音、ということが手の動きで分かります。
たたいた回数と字の数をくらべると、拗音のときだけ字のほうが1つ多くなります。ここに気づいたら、小さい字の意味がかなり分かってきた証拠です。
よくあるまちがい
| まちがい | 正しい書き方 | 起きやすい理由 |
|---|---|---|
| シヤツ | シャツ | ャを大きく書いている |
| ロケツト | ロケット | ッを大きく書いている |
| ロケト | ロケット | つまる音を書き落としている |
| ツャツ | シャツ | シとツの形を取りちがえている |
| ジユース | ジュース | ュを大きく書いている |
「ツャツ」のように、小さい字の問題に見えて、じつはシとツの見分けでつまずいている場合もあります。その場合は「シとツ、ソとンの見分け方」もあわせてご覧ください。
小さく書いているつもりでも、ほかの字とほとんど同じ大きさになっていることもあります。読む人が見て小さいと分かるかどうかを、書いたあとに一緒に見直す習慣をつけるとよいでしょう。
のばす棒とセットで
「ジュース」「ショベルカー」のように、小さい字とのばす棒「ー」が両方入ることばはたくさんあります。のばす棒の書き方は「カタカナの伸ばし棒「ー」の教え方」にまとめています。
ゲームで練習する
「カタカナの ほしあつめ」の「のばす ちいさい」ステージでは、絵を見て「シ□チ」の□に「ャ」と「ヤ」のどちらが入るかを選んだり、「シャチ」と「シヤチ」から正しいほうを選んだりする練習ができます。
出典
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」第2章 第1節 国語〔第1学年及び第2学年〕〔知識及び技能〕(1)ウ
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1384661.htm - 文化庁「外来語の表記」(平成3年内閣告示第2号)留意事項その2 Ⅲ 2・7
https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/gairai/honbun06.html
(文:こたえや編集部)
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